映画感想6:銀河ヒッチハイク・ガイド
●THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY
(銀河ヒッチハイク・ガイド)
監督:ガース・ジェニングス 原作:ダグラス・アダムス
主演:マーティン・フリーマン、サム・ロックウェル
2005年 イギリス
この作品はかなり人を選ぶかもしれない一方で、意外ではあるが「うつ」な人に勧められるかもしれない……。
さて、この映画DVDのパッケージ記載の紹介文の最後にはこうある。「想像を絶する(略)壮大なスケールのSFサバイバル・アドベンチャー大作!!」 この文章は、ある一定の正しさを秘めていることは認めるが、基本的にはほとんど嘘である。少なくとも僕はそう思った。それはマイナス方向ではなくプラス方向で。
僕は現在、言うまでもないことだが「うつ病」と呼ばれる一種の精神疾病を患っている。すなわち精神的にはたいがい不安定だし、難しい本を読むなど面倒なことも苦手だ。そんな僕が、この映画を観て、こう思った。「なんと含蓄のある映画だろうか」と……。
次に示すのは作品中に出てくる言葉である。引用する。
「絶体絶命のピンチに陥った時どうするか?」
「人生がいかにツイていたか考えよう」
「もしツイていなかったなら……」
「--だからピンチに陥ったわけだが」
「苦境は去るから、ツイていると考えよう」
いい言葉だ。僕は思った。真面目に。
この映画の原作なのかどうかはよく知らないが、確かにいつか、本屋で同名の小説を軽く立ち読みしたことがあった。そのときは「変わっていて面白そうだ」と思ったが、同時に「読むのが面倒くさそう」「気分も乗らない」と思って、立ち去った。こういう言葉が満載されているのであれば、買ってみたい気もする。
この映画は確かに観るのも案外に疲れる。だから本当に神経衰弱状態の時にはオススメできないが、ある程度「何か変わったものを観てみよう」と思える時にはいいはずだ。ただし、作品の冒頭に流れる、イルカが歌う「魚をありがとう」に感銘を受けなければ、多分この映画は合わない。本当なら大変に含蓄深い「魚をありがとう」の和訳歌詞を引用したいところだが、それでは楽しみが失われるのでやめておく。
またこの作品には「いつも気分が落ち込んでいるロボット」が出てくる。彼の言動が、たまらなくいいのだ。
今回からタイトルの書き方を少し変えた。僕には無意味に連番を付けてしまう「悪い癖」があるようだ。作品タイトルくらいはつけないと単調になる。
(視聴形態:自宅でDVD)
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