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2006年9月 9日 (土)

映画感想11:耳をすませば

関連後日記事
9月10日記事:耳をすませば 出会いと奇跡の物語
9月11日記事:「耳をすませば」とニヒリズム

●耳をすませば
 監督:近藤喜文
 脚本・絵コンテ:宮崎駿 原作:柊あおい
 音楽:野見祐二
 (主題歌:カントリー・ロード)
 主演(声):本名陽子、高橋一生
 1995年 日本
 (アニメーション作品)

 …やられました。ええ、やられましたとも!
 もう心の中で「ぐはぁ! やられたぁ!」と叫びましたよ。まったくねえ。35歳にもなった大の男が見事にやられちゃうんですものねぇ。どうせね、僕は昔から少女漫画好きですよ。少女趣味ですよ。男のクセに乙女チック入ってますよ。自覚もしてますとも!
 …それにしても、見事にやられました。はい。どれくらいやられたかというとプロフィール情報に入れるくらい(笑)。

 きっかけは何週間か前の新聞記事。朝日新聞の「be」日曜版だったと思います。(9.10 追記:8月26日土曜版beでした)【現在はこちらです→asahi.com:月島雫と天沢聖司―東京・多摩-愛の旅人-トラベル】 東京都は多摩ニュータウン近く、京王線聖蹟桜ヶ丘駅を含む一帯を望む丘からの風景が、大きな写真と共に紹介されていました。いまから11年前に公開されたアニメ映画「耳をすませば」の舞台となったところだそうです。その記事では、11年経った今でも、映画の舞台ということで、この地を訪れる人が絶えないとのことでした。
 さらにその記事では、原作の連載は恋愛よりも主人公の夢や目標を重視した作りであったためあまり受け入れられずに終わり、この映画によって昇華された…ようなことも書いてありました。
 僕は「耳すば」(「耳すま」か?)は存在自体は知っていましたが観たことはありませんでした。だからその新聞記事を見ても「へええ。そんなに良い作品だったのか」と思うにとどまりました。
 でもそのことが頭に引っかかっていたのでしょう。前にDVDを何枚も購入した際、ふと「何か清涼なものを」と思い、手に取ったのがこの作品でした。それを、今日になって観る気分になったというわけです。

 泣いちゃいましたよ。僕は。本当に…。
 大の男が情けないのかもしれませんが。
 泣けるようなストーリーでもないんだろうけど…。35歳の男が15歳の女子の主人公(月島雫)に感情移入して泣いてしまうんですから。僕は特典映像の絵コンテを観たときも泣けてきましたよ。本名陽子さん(雫役)が唄う「カントリー・ロード」が、またとてもよくて、それを聴いても泣けてしまう……。
 僕はジブリというか宮崎駿さんの作品は好きですが、反面、あまりハラドキの展開とか派手なアクションなんかは「なくてもいいのに」なんて思っていました。舞台もファンタジックなものより現代もののほうが本当は好きでした。だからですかね、それとも今の自分だからですかね…。僕の好みというかそういうものにピタッとはまっちゃいました。登場人物から舞台背景から細かい描写まで含めて……。
 …まあ、ある意味この作品も、シニカルな見方をすると充分ファンタジーなんですが(苦笑)…。

 それにしても何故いままで観なかったんだろう。公開時期や監督が宮崎さんじゃないということもあるのかな。僕は「となりのトトロ」などは劇場で観た人なんですがね(当時は高校生)。
 1995年といえば僕は社会人3年目ですね。あの頃は何やってたかな…。ただひたすら毎日仕事していた気がします。(ちょうど某「エヴァ」もその年でしたか。それを知ったのも僕は後でしたが…)
 いま考えると面白いのがDVD「特典映像」の中にあるプロモーションTVR。「バブル崩壊後」だとか「混沌の21世紀まであと5年」だとか、そんな表現がありました。そういう時代の作品でもあります。
 ある意味、とてもお約束でありえない物語なのかもしれません。夢見すぎかもしれない。それはわかっているけれど……。でもこういう「物語」……僕は好きです。

 ジブリ作品についての僕の脳内評価では、「天空の城ラピュタ」が不朽の名作。「千と千尋の神隠し」が傑作。あと佳作がいろいろ。ではこの「耳をすませば」は……? まだわからないけれど、純粋に「一番好きな作品」に位置付けられるかもしれません。一番近いのは「魔女の宅急便」かな? あれもすごく好きなんですよ。あくまでも僕の脳内ですが。つくづく僕の趣味って女の子っぽいよなぁ。
 本当にクリティカルヒット。「火垂るの墓」でも泣かなかった僕ですが、この作品には泣きました。ジブリで泣いたのは初めてかも。

 今回はあんまり感想になってないですね。

 今日は本当は通院日だったりいろいろありましたが、もうこれでいっぱいです。
 ああ、もう一回観ようかな…。

関連過去日記
2001年12月1日(土)
「千と千尋の神隠し」の感想
2002年4月21日(日)
「てけてけマイハート」、「おねがい朝倉さん」、そして、あの「猫の恩返し」原作の感想

9月10日追記:
 きっかけとなった朝日新聞の記事がネット上に公開されていました。8月26日朝日新聞「be」土曜版:月島雫と天沢聖司 近藤喜文監督「耳をすませば」賢明な生への応援歌
 近藤喜文監督の遺作でもあったのですね。この記事を改めて読むと、また泣けてきます…。【現在はこちらです→asahi.com:月島雫と天沢聖司―東京・多摩-愛の旅人-トラベル

(視聴形態:自宅でDVD)

参考:あゆざかけい映画勝手にランキング

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コメント

初めまして。
ジブリ美術館に3回も行ったQと申します。

「耳をすませば」は、立花隆(雫の父役)のたどたどしいアフレコが、とても気に入っています(笑)。

投稿: Q | 2006年9月10日 (日) 00時39分

初めまして。ジブリでは、「ラピュタ」「千と千尋」「魔女の宅急便」がいいなぁと思っていたので、なんだかちょうどその作品名がでていて、「耳をすませば」も見れば私もやられるかな? 今うつうつで、もう少し状態よくならないと見られそうにないですが、覚えとこうと思いました。

あゆざかけいさん、失礼を承知で、ここには関係のない個人的なことを書き込みさせていただきたいんです。
2006/9/18管理者編集
(以降の文章は目的が達成されたと判断して削除いたします。何かございましたらあゆざかけいまで…)

投稿: tutaya | 2006年9月10日 (日) 07時06分

あゆざかけいさん、おはようございます
仲介していただいて本当に申し訳ありません。
ジブリ作品、我が家の子どもたちはどちらかというと
ウォレスとグルミットとフィクサー作品派。
最近のジブリは子どもたちには難しいみたいです。
もうちょっと大きくなってからかしらね。
トトロは大好きです♪

2006/9/18管理者編集
(以降の文章は目的が達成されたと判断し削除いたします。何かありましたらあゆざかけいまでお気軽に…)

投稿: とまと | 2006年9月10日 (日) 07時29分

今僕は近所の漫画喫茶(インターネット喫茶)にきています。「耳をすませば」の原作があるかなぁと思ったのですが、ないです。まぁどこかで読めるでしょう。

>Qさん いらっしゃいませ。
 僕もあのお父さんははまり役だと思いました。というか、この作品は声の演技も何もかもすべてとても高い完成度だと思いました。

>tutayaさん いらっしゃいませ。
 コメントありがとうございます。
 ぜんぜん失礼なんかじゃないですよ~(^^)
 またどうぞおいでください。

>とまとさん いらっしゃいませ。
 確かに最近のジブリはちいさいお子様にはちょっときついですね。まあ、昔の「ナウシカ」とか「ラピュタ」とか「紅の豚」とかも、小さい子向けじゃなかったですからね。
 僕もこっそりお邪魔しますよ。

ではまた。

投稿: あゆざかけい | 2006年9月10日 (日) 11時38分

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