映画感想17:アタゴオルは猫の森
●アタゴオルは猫の森
監督:西久保瑞穂 脚本:小林弘利
原作:ますむらひろし
主演(声):山寺宏一、夏木マリ、田辺誠一
2006年 日本(アニメーション作品)
今秋は観たいと思う映画がとても多い。その中でまず「アタゴオル」を選んだ理由は、小林弘利さんが脚本をされた作品だから。
いやあ、それにしても。正直、本当にびっくりだよ。ここまで美しく、そして2次元の原作を持ちながらも、ここまで違和感のない3DCGアニメが作れるんだ。本当に最初の感想は「とにかく美しい!」に限る。
CGディレクターは毛利陽一さん。そして美術デザインは「耳をすませば」の黒田聡さん。この美しさを表現できたのはこの方々の力でしょうか? 専門的なところはよく知らないのだが、3DCGアニメというと、僕はディズニー作品を思い描いてしまって、ちょっと引き気味だったのだが。だが、あくまでも日本的な絵柄(つまりコミックス的)で、ここまで見事に3D化できるなんて! アクションシーンも2次元のセルアニメーションの良さをちゃんと踏襲している! もうそれだけでも観る価値あり。
実をいうと僕は原作はよく知らない。名前だけは聞いたことがある程度だったけど。「二本足で歩く猫と人間が普通に暮らしている世界」らしい。それだけでも興味深い。そして今回は、谷山浩子さんが特別出演している。谷山浩子さんと言えば「ねこの森には帰れない」などのアルバムを出されている、僕内部ではさだまさしさんと並んで「この人は天才だ」と評価しているシンガーソングライター。
とにかく作った方々や出てくるキャラクターから見ると、もう僕にとっては刺激しまくりなのだ。そしてその世界に描かれたストーリーは?
あいにく僕には原作の中での「ヒデヨシ」がどの程度の役柄かわからないのだけれど。今回の映画では、とにかくこの「ヒデヨシ」の持つ爆発的に明るい生命力。これが見事に表現されている。スクリーンから「生きろ!」という言葉が飛び出してきそうな感じだ。台詞もいい。ネタバレになるからここには書かないけど。
僕は山寺宏一さんがこんな演技もできるなんて知らなかった。僕も最近の業界には疎いのだが、それでも正直、山寺さん数多く出すぎ、と思っていた。新しい方の「銀河鉄道999」でキャプテン・ハーロックを演じているのを観たときは「をいをい」と思ったものだが。今回の「ヒデヨシ」役には大ハマリだよ。
同じように二本足で歩く猫が居る世界を描いたアニメで、比較的新しいのはスタジオジブリの「猫の恩返し」だ。あれも決して悪くはなかったし、原作なんかはとても好きな作品なのだが…。ちょっとこの「アタゴオル」とは比べられないな。アニメーションとしてのクオリティという面で…。「モーション・キャプチャー」という技法を使ったらしいのだが、3DCGで動く絵と声とが見事に一致している。そのことでこの美しい世界の臨場感が増している。
原作を知っていたらもっと楽しめただろうな。とにかく近年まれに見る高品質なアニメーション映画でした。
(視聴形態:劇場で)
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コメント
あぁ、いいなー! アタゴオル見てきたんですね!!
この映画、映画館の立て看板予告のときから「見たい! 絶対見るぞ! 猫族の映画だもんねー!」と思ってたのです。
もうやってるんですねー。楽しかったんですね? 面白かったんですね? うん、期待しちゃうぞ!
投稿: くりにゃー | 2006年10月21日 (土) 22時42分
こんばんわ。
自分も、いつか見に行きたいですね。
ダメなら、「地上波テレビ」で、見たいですね。
投稿: H・K | 2006年10月22日 (日) 19時02分
いいなぁー、都会は。「アタゴオル」が公開されているんですね。
こちらの地元では公開されていません。そのうち公開されるのかも知れませんが、どうも、DVD化を待つのが一番の近道かも。
田舎暮らしはいい時もあるんですが、こういうときは都会生活がうらやましいとつくづく思いますよ。
では、また。
投稿: maline | 2006年10月22日 (日) 19時08分
「アタゴオル」の原作本、もう何才の頃だかわからないほど
昔に読みました。
映画化ですか。・・・DVDが欲しいなぁ。
ではでは!
投稿: hiroko | 2006年10月23日 (月) 12時36分