映画感想22:スタートレック劇場版
●スタートレック劇場版
(Star Trek: The Motion Picture)
監督:ロバート・ワイズ
創作・製作:ジーン・ロッデンベリー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
主演:ウィリアム・シャトナー、レナード・ニモイ
ディフォレスト・ケリー
1979年 アメリカ
かなり昔、TV放映で観たことはあった(ただし日本語吹替え版)。昨日記したように、視聴する時の精神状態もあり中断しながらだったが、懐かしく思いながら観た。
ネットで調べたところ(こういうときは便利)このスタートレック初の劇場版は、公開こそ1979年だが、その土台となっているTVシリーズは1966年から3年間に亘って放映された「宇宙大作戦」(Star Trek, The Original Series )であるらしい。僕が生まれる前だよ。
前年の1978年にはジョージ・ルーカス監督の「スターウォーズ」の第1作(いまで言うエピソード4)が公開されている。そういう意味では、この映画に使用されている数々の特撮技術も、それに近い水準なのだろう。
スペースオペラといって僕が想像するのは、どちらかというとこのスタートレックシリーズなんだよね。航宙艦エンタープライズ号を舞台にした人間ドラマ。ブリッジ(艦橋=司令室)の中央に艦長が座り、通信仕官に指示したり、エンジンについては技術部主任に確認したり、指示を受けた方は「アイ・サー」と応えたり。
日本ではアニメの「宇宙戦艦ヤマト」が先駆けだが、この「スタートレック」からかなりの影響を受けていると思えるのは僕だけではないだろう。
カーク提督が改装されたエンタープライズ号に乗船するまでの映像がとても長い。作品全体の構成としてはどうかと思うが、こういうシーンが好きな人にはたまらないのだろう。かくいう僕も好き。
やはり吹替え版ではなく字幕版の方が良いなー。
ちなみに。
近年の日本のコミックスでこのスタートレックにモロに影響を受けたような、それでいてとても高品質の傑作がある。
「JANE」(著:橘水樹&櫻林子)1~8巻
「NULLALIVE」(著:橘水樹&櫻林子)1~2巻
「Royal kid's」(著:橘水樹&櫻林子)1巻
(これは番外編で宇宙なし)
この作品が、少なくとも商業誌ベースでは長く停止しているのが悲しい。
元来「宇宙船」や「宇宙」の話は子供の頃から大好きである。よくいろいろな設定を考えてノートに書いたりしていたものだ。(いまでもそういうネタ…はっきり言って妄想だが…は持っていたりする)
日本でもスタートレックのような作品が生まれないものかなー。
(視聴形態:自宅でDVD)
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コメント
スタートレック、大ファンです。
といっても私の場合はカーク艦長の次のシリーズ、「THE NEXT GENERATION」のファンなのですが・・・。
スカパーでやっていたのを見てはまっちゃいました。英語を勉強しているのでリスニングの教材にもなると思い、シーズン4までのDVDを大人買いしてしまいました。
SFに留まらない人間ドラマだと思います。テーマも、異文化間コミュニケーション、宗教、哲学、恋愛と、非常に幅広い。
繰り返して見たい名作です。
投稿: そこそっこ | 2006年11月12日 (日) 21時57分
こんばんは。お邪魔します。
この作品、実はTVシリーズからの熱狂的なファンの間では、ぼろくそに言われたものなんです。ミスター・スポック役のレナード・ニモイ自らこの作品を「死にかけているクジラを陸に引っ張りあげる行為だ」と評しています。この作品はスタートレックにしてスタートレックにあらず。そんな感じですね。単独のSF映画としてはクオリティーがとても高く、スターウォーズなんかよりは立派なSFです。ただ難解さはありますが。ストーリーのアイディアはとても面白く、謎の生命体「ヴィジャー」が実は20世紀にアメリカが打ち上げた無人木星探査機「ボイジャー1号」であるとか、デッカー副長とアイリーアの恋など素敵な要素が満載で100点な映画です。ただスタートレックとしてはというと、ちょっと・・・。オープニングのスペースドックのシーン(USSエンタープライズ号の艦体の一部がスポットライトに照らされ、少しずつ全貌が明らかになっていく)があまりにファンに過剰な期待を抱かせるものであっただけに、その後の展開には思いっきりしらけさせてくれるという(笑)。でも、ぼくは好きな作品ですよ。あれはあれでスタートレックですからね。ああいうスタートレックがあってもいいと思います。
映画版となるとTVと違い、スタートレックファン以外の観客の鑑賞できるようなものを作らなければいけないですから、製作者側の事情は充分に理解できるつもりですから(自分の以前の職業も同じようなものなので)。
ちなみにぼくのお勧めは、オリジナルクルー(カーク船長)ものだと、6本目『未知の世界』日系人クルーだったスールー(ミスターカトー)が昇進し、別の艦USSエクセルシオールの艦長として、カークとUSSエンタープライズ号の危機に颯爽と現れてカークたちを救うんですね。「アルジェロン条約」などTVのファン以外には解かりにくい部分も多少はありますが、NYにいた時、この作品のおかげで、「東洋人はカークの危機を助けてくれた」と言われ随分と友人が増えましたし、イエローイエローと差別的にみていた連中も東洋人を尊敬してくれるようになりましたから。
それとTNG(ピカード艦長)の劇場版では、最後の『ネメシス』ですね。この作品はファンも、スタートレックの世界を知らない方も両方が楽しめる作品に仕上がっています。敵がピカードのクローンであるという「生命の神秘」をじっくり描き、クライマックスでは、スタートレック史上空前のスケールで、敵戦艦とUSSエンタープライズF型との艦隊戦が展開されるという大サービス。2時間がほんとに短く感じましたよ。
長くなって済みません。あゆざかさんがスタートレックを楽しんでくれればいいなと思います。
投稿: maline | 2006年11月15日 (水) 18時48分