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2006年12月 2日 (土)

映画感想27:東京原発

●東京原発
 監督・脚本:山川元
 主演:役所広司、段田安則
    平田満、岸部一徳
 2002年 日本

 事情は知らないのだが、製作年が2002年で公開年が2004年であるらしい。
 こういう作品、好きな人は絶対に居ると思う。貴重という意味ではかなりの価値だと思って良い。どんな映画かを一言で言うなら、「日本の原子力発電やエネルギー政策には実はこんなに問題や課題があるんですよ」ということを視聴者に知らしめる作品。問題提起が前面に出ているので原子力開発の推進に対して「NO!」というメッセージを発信しているようにも、一見では受け取れる。でもこれはそうではない。「YES」「NO」を言う以前に基本的な問題や課題を知ろうという趣旨の方が強い。

 変な駄作を観るよりはよっぽどためになる映画。本当に勉強になる。
 お世辞にもドラマやシーンが売りではない。ものすごく低予算で製作されたのが想像できる。シーンの半分以上は会議室だもの。でも歴然としたテーマがあるので、俳優の皆さんのちょっと大げさな演技も許せる。地味なので気が付きにくいけれど、俳優同士の会話だけで原子力やエネルギー問題についてわかりやすく、それも視聴者を飽きさせずに説明するのは大変だと思う。
 この映画は純粋に前述の問題課題を訴えているので、政治的な思想誘導にも使われそう。よく原子力開発の推進派の団体などから弾圧されなかったものだと思う。

 僕としては期待した以上の映画だった。今日はもともと、感動したり興奮したりしたくなかった。なんとなくマニアックなにおいがする作品を求めていた。
 「チェレンコフの光」という言葉が印象的だった。型破りな東京都知事を演じる役所広司さんははまり役だね。(現に役所さんは俳優になる前はお役所にお勤めだったという)
(視聴形態:自宅でDVD)

参考:あゆざかけい映画勝手にランキング

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コメント

こんばんわ。
先程、コメント有難う。
・「原子力発電」に関して。
自分は、正直「反対」ですね。
確かに、「良いことに利用する」と言うけれど、本当に信じて良いだろうか?。
これが、逆に「事故」でも起きたら、大惨事になりかれないと思う。
だから、「原子力発電」は、多く作らないで欲しいと思う。

投稿: H・K | 2006年12月 3日 (日) 00時39分

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