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2007年5月25日 (金)

動かないコンピュータ…刊行から5年

 日経コンピュータという誌に好評連載されて話題になった「動かないコンピュータ 情報システムに見る失敗の研究」 その記事が単行本として刊行されてから、すでに5年が経とうとしています。大きな銀行の合併などでシステムトラブルという言葉が世間に広まりました。
 この本を読むと興味深いのは、システムを開発するベンダーの技術が足らないとか、やり方、作り方がまずいとか、そういう失敗の原因と同じくらいに、「開発当初からのユーザ側の関与が足りない」ことが、多くの失敗を招いているという事実です。

 今回の大規模システム開発プロジェクトが、基本設計という工程に入るにあたって、他の部門のシステム開発の経験者も何名か入ってきました。今度、僕の上でサブリーダーをやることになった先輩社員もその一人です。
 彼が言うには、「こっちのお客さんはかなり紳士的だね」とのことでした。それは、情報システムの世界でいう「ユーザ:お客さま」が、いかに「紳士的ではない」ことが多いかが、わかる言葉だろうと思います。決してユーザが悪いと言うのではありません。
 「動かないコンピュータ」を読めば多少なりともわかると思いますが、いわゆる建築物や工業製品のようなノリで、お客さまが「注文したとおりにきちんと作れ」と恫喝するだけでは、決してうまく行かないものなのです。情報システムというものは。そういう観点からするときわめて特殊な世界と言えるでしょう。それがなかなか理解されていないことが、人を不幸にしてゆくのです…。

 僕のような立場の人間が言っても言い訳にしかならないかもしれませんけれど…。本当に、そういうものなのですよ…。

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コメント

おはようございます。

実は、僕も使われないシステムをどうするかっていうのが課題の1つなのです。ユーザー側の立場ですが。

でも週末は、そういうことは頭から消し去って休むことにします。

投稿: bjg | 2007年5月26日 (土) 08時40分

こんばんわ。
先程、コメント有難う。
・「文章」を読んで。
へぇ~、そんな話初めて聞きました。

投稿: H・K | 2007年5月26日 (土) 21時36分

システムは不可視だからですよ。
実体のあるものなら、設計図や3Dモデリングで顧客と製造者との意志のすりあわせができます。
システムはできるまで、発注者のあいまいな意識の中にあって、それを実体化して引き出すSEの力量にかかってしまうからです。

一番近いのはヘアデザイナーなんじゃないかと思ってます。
こんなふうになりたい、とヘアカタログを持ってきて、その通りの髪型にしたら、そりゃモデルとは違う顔なんだから、合うわけがない。それでいて「出来が悪い」と責められる。
じゃ「おまかせします」なんて言われた日にゃ、お客様の顔・スタイル・服装まで考慮して、どんな髪型にするか悩まないといけない。
やがて、お客様とヘアスタイリストとの「相性」というのが確立して、「私はこの人に頼めば安心」という、文字化できない仕様書が双方にできあがっていくわけですね。
……。
なんだか、ヘアスタイリストって偉大な人のような気がしてきた。
「失敗したヘアスタイリスト」っていう連載記事が、理美容店専門誌に載っていないのかなぁ。載っていてもいいような気がするんだけどなぁ。あっちはファッションっていうファクターもあるからなぁ。(コンピューターシステムもファッションの要素が多いけどね。)

投稿: くりにゃー | 2007年5月27日 (日) 03時41分

お返事です。

>bjgさん
 僕も休日中はなるべく仕事のことは考えないようにしたいと思います。
 bjgさんもご無理はなさらないでくださいね。

>H・Kさん
 この業界は歴史も浅く、いろんなところが未成熟なのです。
 まあそのため、経験が浅くても入ることは可能な業界ですけれど。(まずは体力みないな(^^;))

>くりにゃーさん
 ヘアデザイナーですか。その例えは初めて聞きました。でも、おっしゃることはそのとおりです。コンピュータシステムにファッションの要素があることは同意です。デザイン力も求められますからね。

コメントありがとうとざいました。

投稿: あゆざかけい | 2007年5月27日 (日) 15時07分

こんにちは。根岸のねこです。
コンピュータシステムにかぎらず、システム開発における人間的要素の問題点は、20年前とあまり変わっていないですよね。
変わっていないことが大きな問題なのかもしれません。
くりにゃーさんのいうように見えないところを一生懸命見えるようにしても、問題が解決するわけではないことが問題ですよね。

投稿: 根岸のねこ | 2007年5月27日 (日) 22時05分

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