映画感想38:日本以外全部沈没
●日本以外全部沈没
原典:小松左京、原作:筒井康隆
監督・脚本:河崎実、監修:実相寺昭雄
脚本:右田昌万
主演:小橋賢児、柏原収史、村野武範
2006年 日本
これは全部冗談です。冗談が通じない人やまじめすぎる人は観てはいけません。…というような注意書きが必要なのではないかと思えるほどの、ブラックユーモア。
内容はタイトル通り、日本列島以外のほぼすべての国々が海に沈み、大量の難民が日本に住まう世の中を描いています。島国である日本では異文化異民族を受け入れることはできず、不平等の階級的社会が形成されて行きます。
冗談だとわかって観るならば、なかなかの出来栄えであると思います。かなり細部まで風刺というか微妙な違和感がちりばめられています。
いやあ。これはかなり観る人を選ぶでしょう。
現代の世相(格差が広がる日本社会)を考えると、けっこうしゃれになっていない冗談だからです。原作の小説(日本沈没のパロディ小説)は未読ですけれど、この内容そのままが30年も前に書かれたのであれば、それはすごいことだと思います。
正直、いまの世相を踏まえてしまうと、本当に笑えない冗談になっていると思います。不平等社会に対するアンチテーゼとも受け取ることができます。しかし、いろいろと敢えて安っぽい演出をしたりして、冗談として表現しようとしているのですけれど、けっこうしゃれになってません。本当に冗談がわからない人は観てはいけませんね。
お気軽に冗談は冗談として観られる方はどうぞ。一見の価値はあります。
敢えて一言だけ感想を述べるなら…
「藤岡弘さん、カッコよすぎ!」
(視聴形態:自宅でDVD)
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コメント
原作、面白かったよー
投稿: でつ | 2007年6月25日 (月) 05時27分
いいでしょー、これ。
GATがばっさばっさと強制収容するあたり、なんとも言えないですよねー。
しかも、わかる人にしかわからない「電エース」が登場したり。
河崎監督が遊びまくって作ってるあたりがいいです。
GATの長官が最終手段に出るあたりが、なんともいえず爽快です。
河崎監督の映画って、チープが魅力の一つになってる気がします。制作費、1億かかってないんだろうなぁ。
投稿: くりにゃー | 2007年6月25日 (月) 08時20分
お返事です。
>でつ さん
そうですか。原作も読んでみようかな。
>くりにゃーさん
監督自身が電エースやってましたね。
投稿: あゆざかけい | 2007年6月26日 (火) 22時02分