映画感想40:トゥモロー・ワールド
●トゥモロー・ワールド(CHILDREN OF MEN)
監督・脚本:アルフォンソ・キュアロン
出演:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア
音楽:ジョン・タヴナー
2006年 イギリス/アメリカ
うーむ。正直、よくわからない作品。
僕の感性が特殊なのかな?
僕が行っているTSUTAYAでロングセラーランキング1位らしいのだけれど、そんなに高評価かな?
近未来。子供が産まれなくなった世界を描いている。
そういう退廃的なテーマは好きではあるけれど。
なんとなくすべてが中途半端だと感じた。
何故子供が産まれなくなったのか、という点も不明だし、主人公を含めた登場人物が何をしようとしているのかもよくわからなかった。
あと、これは個人的な観点だけれど、「出産」という場面を、こういう形で描いてしまうのもどうかと思った。
また、とても穿った見方をしてしまうと、なんとも黒人差別的な気配もする作品。人には勧められないなぁ。僕としては珍しくけっこう辛口な評価。
(視聴形態:自宅でDVD)
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コメント
こんばんは。
『トゥモ+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ローワールド』ですか。
正直、ぼくは劇場で観たんですが、とても退屈な映画でしたね。難解で理解の範囲を越えているとかってことじゃなくて、物語の世界観を語る上で必要な描写がないために、「なぜ?」「これは何?」というような、未消化名部分が見終わってからももたれる感じがするんですよね。
B級映画はB級なりに楽しめるんですけど、そんな部分はまるきりなくて、創る側は娯楽映画を目指しているんではなくて、大真面目なテーマを観る側に提示しているみたいですけど、それが全然伝わらないんですよ。やっぱり世界観をきちんと提示しないと観客には伝わりませんね。
この作品とは全く反対に、人口増加をきっかけに、食糧不足、人工添加物、大気汚染が深刻化した世界で、ついに国連が「今後30年間妊娠出産を禁ずる」という規約を発令し違反者は即刻死刑に処する。という罰則を施行して、子供の欲しい夫婦には赤ん坊の人形を与える、って映画がありました。『赤ちゃんよ永遠に』ってタイトルだと思いましたが、世界観の描写にしっかりと時間を割いたために、背筋が凍るほどショッキングな気分でしたよ。
中で、やはり禁じられた妊娠をし地下室にこもって出産する夫婦がいるのですが、ひょんなことで隣人に見つかってしまうのですが、隣人は4人の子供として育てるのなら、見なかったことにして当局には通報しないと言うんです。
また禁止令が発効する直前に出産に立ち会った産婦人科医は看護師や医療スタッフに「今後30年は見られないぞ。大切に扱え」と注意を促します。
その台詞が冒頭のシーンなんですよね。これで、一発が-ンと頭を殴られた感じがして、「なんだろう?」と思っていると国連によるバースコントロールの話が出たり、人工の増加が核戦争を生み出すなどという暴論めいた話やら、人工が抑制された社会のなれの果ては、平和のモニュメントとして広島に核ミサイルを埋めてメモリアルを創ったり。ショッキングなことばかりが続くんです。
でも、一番ショッキングなのは背景に管理社会があるということですね。妊娠・出産と言う個人の権利をも国連と言う「自由」を旗頭にした組織がコントロールするという。管理社会から逃れた人々にとって唯一の自由な場所が、かっての核戦争で核兵器が使用され、残留放射能が残る場所でしかない。
赤ちゃんの人形もグロテスクだし、観てからしばらく夢に映画のシーンが出てきました。
1971年の名作ですけど、『トゥモロー・ワールド』もあの映画くらいのインパクトをCMなどで期待していたんですけど、原作小説が素晴らしいだけに、映画化にはムリがあったのかな?とも思いましたけど、ちょっと物足りない作品でしたね。
投稿: maline | 2008年1月 3日 (木) 20時57分
こんばんは。
『トゥモローワールド』ですか。
正直、ぼくは劇場で観たんですが、とても退屈な映画でしたね。難解で理解の範囲を越えているとかってことじゃなくて、物語の世界観を語る上で必要な描写がないために、「なぜ?」「これは何?」というような、未消化名部分が見終わってからももたれる感じがするんですよね。
B級映画はB級なりに楽しめるんですけど、そんな部分はまるきりなくて、創る側は娯楽映画を目指しているんではなくて、大真面目なテーマを観る側に提示しているみたいですけど、それが全然伝わらないんですよ。やっぱり世界観をきちんと提示しないと観客には伝わりませんね。
この作品とは全く反対に、人口増加をきっかけに、食糧不足、人工添加物、大気汚染が深刻化した世界で、ついに国連が「今後30年間妊娠出産を禁ずる」という規約を発令し違反者は即刻死刑に処する。という罰則を施行して、子供の欲しい夫婦には赤ん坊の人形を与える、って映画がありました。『赤ちゃんよ永遠に』ってタイトルだと思いましたが、世界観の描写にしっかりと時間を割いたために、背筋が凍るほどショッキングな気分でしたよ。
中で、やはり禁じられた妊娠をし地下室にこもって出産する夫婦がいるのですが、ひょんなことで隣人に見つかってしまうのですが、隣人は4人の子供として育てるのなら、見なかったことにして当局には通報しないと言うんです。
また禁止令が発効する直前に出産に立ち会った産婦人科医は看護師や医療スタッフに「今後30年は見られないぞ。大切に扱え」と注意を促します。
その台詞が冒頭のシーンなんですよね。これで、一発が-ンと頭を殴られた感じがして、「なんだろう?」と思っていると国連によるバースコントロールの話が出たり、人工の増加が核戦争を生み出すなどという暴論めいた話やら、人工が抑制された社会のなれの果ては、平和のモニュメントとして広島に核ミサイルを埋めてメモリアルを創ったり。ショッキングなことばかりが続くんです。
でも、一番ショッキングなのは背景に管理社会があるということですね。妊娠・出産と言う個人の権利をも国連と言う「自由」を旗頭にした組織がコントロールするという。管理社会から逃れた人々にとって唯一の自由な場所が、かっての核戦争で核兵器が使用され、残留放射能が残る場所でしかない。
赤ちゃんの人形もグロテスクだし、観てからしばらく夢に映画のシーンが出てきました。
1971年の名作ですけど、『トゥモロー・ワールド』もあの映画くらいのインパクトをCMなどで期待していたんですけど、原作小説が素晴らしいだけに、映画化にはムリがあったのかな?とも思いましたけど、ちょっと物足りない作品でしたね。
投稿: maline | 2008年1月 3日 (木) 20時59分
くりにゃー、この映画、劇場で見ました。
子供の生まれなくなった世界、そこに最後の子供が誕生する!っていう、なんだか、わくわくするような世界を期待して見に行ったのでした。
レポを再録します。
==
えーとね、設定は実にSFだな、と思ったの。先細る人類の未来、鍵を握る少女。なんの理由で人類は急に子供が産めなくなったのか、解決はあるのか。
わくわくして見に来たのですが。蓋を開ければ、チェイスバトルに映画の力点が置かれて、SFしてくれません┐(´ー`)┌。素材はなんでも良かったんじゃないかな。ブッダの生まれ変わりの少年でもストーリー的にはOKだし、チェスの天才少年でも、この映画作れるね。
つまり、そういう映画です。単に車で走らせて、かくまった人を殺して、鍵を奪い合うためにバズーカをどんぱち言わせる映画。
なんか書いててつまらん映画って感じがしてきたぞ。
設定を生かせてないのが、本当に致命的です。膨らませればとても面白い設定なだけに、すごく残念。
たぶん、テレ東の深夜枠で見るのが妥当な映画だと思います。
以上!
==
なんだか、とっても不満だったようですね、私。
投稿: くりにゃー | 2008年1月 3日 (木) 22時30分
お返事です。
>malineさん
いつもご丁寧に恐れ入ります。
ありがとうございます。
1971年といえば僕の誕生年ですよ。つまり36年前です。その時代の『赤ちゃんよ永遠に』ですか。TSUTAYAにあるかなぁ。
僕が潔癖なのか、どうも「出産」という行為を安易に描写するのってのは、いろんな意味で抵抗を感じるんですよね。
そして出産する少女が有色人種。これは穿って観すぎですかね。
>くりにゃーさん
そうそう。まさに「SFじゃない」んですよね。
TSUTAYAではSFコーナーのロングセラー第1位として並べられていたわけですが、これは設定が近未来というだけであって、SFじゃありませんね。
映画に関しては師匠とお呼びできる方お二人と、そんなに評価が変わらなかったので、ちょっと安心しました。
いつもありがとうございます。m(_ _)m
投稿: あゆざかけい | 2008年1月 4日 (金) 21時51分