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2008年10月 4日 (土)

書店めぐり雑感:マリア様がみてるもいよいよ大詰め?

 集英社コバルト文庫の読者歴はかれこれ25年になろうかという僕です。前にも言いましたが昔のコバルトはSFなどもあって、近年のように少女小説オンリーって雰囲気は薄かったんですけれど。

 そんな訳で「マリみて」こと「マリア様がみてる」シリーズ(今野緒雪さん著)の最新刊が、10月1日に出ていました。タイトルは「卒業前小景」です。8月に姉妹シリーズとなる「お釈迦様もみてる」が発刊したので、もっと先になるかと思っていたら10月に出ましたね。もっとも、僕も個人的にいっぱいいっぱいで、気がつくと「もう10月か」という感じだったわけですけれど…。

 この作品は、一見すると現代の学園モノですけれど、実を言うと一種独特の「マリみて時空」を形成している、一種のファンタジーとも言えます。そして小さな小さな日常的な物語の連続であり、決して血沸き肉踊る展開なんてありゃしない。そもそも読者もそんなものは望んでいない。不思議な作品です。

 個人的には祥祐よりも祐瞳(どちらも紅薔薇家ですが)の組み合わせの話が読みたいとずっと思って来たのですが、やはり聖典(原作のことです)ではあくまでも祥祐がメインなんですかね。そうすると、祥子さまがもうすぐ卒業ですから、これまで30巻を超えるシリーズが出てきましたが、いよいよ区切りなんでしょうか。

 今度の新刊はとても良かったです。先輩やお姉さまたちが卒業する前日の小景を、様々な人物の視点で描いています。こういう描写は本当に上手いですね。今野さん。
 最後の最後でやられました。泣かされましたよ。
 本当に小景を描いてあるだけですのに…。

 それにしても僕はやはり一年椿組の親友同士も好きです。今回も乃梨子が瞳子を気遣ったりして、「お姉さまの効用について語りにきた」だなんて台詞は最高ですね。今回はこの二人が完全に親友としての絆を持っていると感じられたのも良かったです。ああでもでも、今回は志摩子さんの言葉も良かったです。

 次は卒業の日の話でしょうか。でも、まだ回収できていない伏線があると思います。例えば「あなたを探しに」の時の志摩子さんと蔦子さんの謎の行動とか。

 まあ気長に待ちましょう。生温かく…。

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