書店めぐり雑感:マリア様がみてる「ハロー グッバイ」感想。
「ハローグッバイ」というタイトルから瞬時に過去のアイドル歌手、柏原芳恵さんの歌を連想してしまったのは、僕だけじゃないはず……だよね?(念のために余計な弁解をすると、柏原さんファンの中心層から見て僕は10歳くらいは若いはずだ)
マリア様がみてるシリーズ最新巻(34巻目?)であるこの巻にて、「マリア様がみてる」(今野緒雪さん著:集英社コバルト文庫)はひとまずの区切りになった。今野さんお疲れさまです。
この巻に近づくまでの「薔薇の花かんむり」「キラキラまわる」「マーガレットにリボン」そして「卒業前小景」における流れから、この「ハローグッバイ」に至る、なんというか今野さんの筆力の冴えというか、それがもう、見事という他はない。
今回は卒業式というイベントに加えて新旧の山百合会幹部メンバーが総出となったわけだけれど、このまとめ方は神業ではないだろうか。
作中においては現三年生たちの卒業の日を迎えている。たぶんどんな物語も広い意味ではそうなのだろうけれど…みんなの成長物語なんだ。改めて思った。福沢祐巳、小笠原祥子という一組の姉妹(スール)のみならず、本当にみんなの…。
でもそれでいて、成長具合とは関係なく、同級生という絆で結ばれた親友・友人たちもいる。これまでの話の展開上、現一年生の二条乃梨子、松平瞳子、そして細川可南子の話題が目立っていた気もするけれど、やっぱり現二年生、福沢祐巳、島津由乃、藤堂志摩子のトリオの連携プレーがとっても良い。今回でも魅せてくれた。作中における次の新学期からは、この三人が「薔薇さま」として山百合会を牽引して行くことになる。きっと歴史に残るほどのすばらしい薔薇さまとなるだろう。
作者があとがきで語っているように、あくまでも「祐巳・祥子編」が終幕したのであって、マリみて自体が終わってしまったわけではないようだ。
とはいえ、じゃあ今度は「瞳子・祐巳編」というわけにはいかないんだろうな…。ごく個人的には、まさにそれが読みたいと渇望してきたわけだけれど。
視点が変わっても良いので、それでも現二年生たちが立派に薔薇さまとして活躍している様子は拝んでみたいもの。そして祐巳・瞳子はもちろん、由乃ンと菜々も。乃梨子の妹は誰なんだろうとか…。ああでも、「レイニー」路線はもう勘弁ね。
ウルトラCで「逆行」してくれても良いのだが。(姉弟作である「お釈迦様もみてる」はある意味逆行物だよね)
ちなみに由乃ンがどのタイミングで菜々にロザリオを渡すのか、前作「卒業前小景」の段階から予想していた。予想通りでも感動するよね。
聖さまが乃梨子をノリリンと呼び、江利子さまが菜々をナナッチと呼んだからには、瞳子は当然ドリルと来るかと思ったのは、きっと僕だけじゃない…よね?
あー! 桂さんの苗字は結局、謎のまま!?
関連過去記事:
書店めぐり雑感:マリア様がみてるもいよいよ大詰め?
書店めぐり雑感:マリア様がみてる フレーム オブ マインド
…等。(サイト内検索で探せば他にもあります)
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