強者の考え方…もしくは本音話って重い。
一昨日の水曜日。客先への研修会の事前打ち合わせで、久しぶりに顧客(親会社)の本社へ。実はけっこう緊張した。向こうは当社から逆出向している、元々は後輩の二人。もっとも後輩と言っても僕とほとんど同年代だし、まあぶっちゃけ、職級は向こうの方が上なんだけれど。多分、近い将来には僕の上司になるかもしれない。
その後、夜のお付き合いとなった。こういうのも必要だ。職場を離れれば、同じ会社で長い付き合いの同僚だ。
彼らは口々に言う。自分たちの会社を外から見る機会を得て、親会社の人材育成はとても厳しく、比較して当社の育成は甘いことを痛感したと。若手はぬるま湯につかっており、リーダーたちは本気で仕事をしていないと。そう力強く、嘆く。「技術云々ではなく姿勢の問題だ」いやそのとおりだと僕も思う。
耳が痛い話だ。言っていることは正しい。でも、僕の中には、「うんうんわかる」という自分と、「でもね」という自分が居た。
親会社への逆出向なんて、優秀じゃなければ、いくら希望してもできない。彼らは近い将来、管理職に抜擢されるだろう。そういう人材(人財)だ。本当に優秀だもの。
いまの管理職の人のほとんどもそうだけれど、基本的にタフなんだ。強いストレスにも常に打ち勝ってきている。「強い自分で居続けられた人たち」なんだ。
そういった「強い状態で居ること」しか知らない「強者の考え方」に聞こえた。もちろん、正論だし、そのとおりなんだけれど。
彼らは僕のことも持ち上げて「雰囲気を変えてください」と言ったけれど。僕は「強者」ではないので、どうかな…。
人の本音話というのは、けっこう重たいものだ。
…。
そんなわけで一昨日の夜が遅く、さらに昨日も残業してしまったので、今日の朝はけっこうきつかった。最近はなかった「通勤途中に意識が朦朧としてフラフラしてしまう」状態に、久しぶりになった。人とは何度もぶつかりそうになって、実際にガードレールにぶつかった。
今日は産業医さんとの面談だったので、そのことも一応言ってみた。まあ言ったところで何が変わるというわけでもないんだけれど。
この就業制限も長いので、どうしたものかと思っているのだけれど、引き続き継続ということになった。
こういった就業制限つきの身なので、遠い客先の現場などへの出張などは、最低限にしたいというのが本音。でもいつまでも、それを理由に拒み続けるのもなぁ、と思ったりする。
それでもやはり前衛的な仕事は荷が重い。昨日も、客先から現場の意見交換会という話が来ているので「何とか行けないか」と言われた。客先からの出向者の方がそういう音頭を取っていて、彼らからしたら「お客さま(親会社)からわざわざ誘われている話なのに、自ら喜んで行こうとしないとはどういうことだ」と思っていることだろう。しかし、会社の看板を背負って業後の宴会まで付き合うのは、けっこうな負担だ。こういう話は断りにくい。でも今の自分では重い。仕方がないので上司を通じて断った。
こういう仕事をこなして行ける人が上に上がって行くのだろう。上昇志向以外に、別の道って無いんだろうか。
でも贅沢は言っていられないんだろう。
…。
日本語には「もったいない」というすばらしい言葉がある、と言われている。けれど、「頑張れ」以外の励ましの言葉は無い。
僕も「頑張る」しかないんだろうか…。みんなと同じ方向に…。
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コメント
お疲れさまです。
世の中には精神的にタフな人と繊細な人が居る。
体力のある人が居るように体力の無い人も居る。
頭が良い人も居るように頭が悪い人も居る。
運が良い人も居れば運の悪い人がいる。
間が良い人が居れば間の悪い人もいる。
話がうまい人が居れば話べたな人がいる。
やさしいひとが居ればやさしくない人もいる。
これが人の価値の優劣なのか?
私にはわからない。
ただ思うのは人の価値は一緒ではないだろうか。
週末になりました。ゆっくりお休み下さい。
投稿: | 2009年1月23日 (金) 23時17分
お疲れさまです。
業務後の飲みは酒飲みの理論ですね。
それはそうと、私は学歴職歴から強者であることを求め続けられます。限りなく負担です。普通の正社員で充分なのに許してもらえません。そういう辛さもあります。
投稿: あんどう | 2009年1月24日 (土) 02時54分
おはようございます。
うーん…。
その後輩の方々。
本当に“強い人で居続けていた人”なんだろうか。
私も普段強い事を言うし、そうした考え方だし、立場でもあるのだけど…それは、ちょっとした緊張で赤面や過呼吸症を起こし体も弱かった子供が、髄膜炎や心身症や仮面うつ症などの既往、怪我を含めた11回の入院、職場の訓練や研修(まずは人格否定を行う方法での集団訓練でした)、自殺未遂や30代での無茶苦茶な仕事中毒と会社でのもみくちゃな争い等を経て40歳の妻子持ちの男に至っている、その結果なんです…。
わからないけれど、人ってただ強くなれるわけじゃないと思う。
その後輩さん方が今強者の理論を語るのは、引き換えに乗り越えた試練があったんじゃないだろうか。あゆざかけいさんの会社から親会社に移った際、様々な批判や叱責や揶揄や侮蔑に曝されたんじゃないか?…って思うんです。強い気持ちを語るようになったのは、会社側からの研修や育成ばかりじゃなくて、その後輩さん方の経験が意識を変えたんじゃないかなぁ。
強者に感じられる人を、“強い側にばかりいた”とか、強弱の二元論的に見つめるのは危険だし、真実ではないと思う…私自身も職場の上司から武器を向けられ殺される直前にまで遭った経験のなかで、這い上がってきたものだから。
人には、単純でなく、色々目に見えないものが沢山ありますよ(^-^)。
投稿: 靴底 | 2009年1月24日 (土) 09時03分
スピンアウト型のシステム会社だと、確かに安定した顧客(親会社)がいるから、それに甘えてしまって、内部での努力・切磋琢磨が怠りがちになると言うのはあると思います。
親会社側は、まさに市場を相手にしているので、そういう苛烈な環境に置かれるため、人材育成が重いのでしょう。
スピンアウト型のシステム会社でも、親会社が子会社の育成をしている余裕が亡くなってきた時に、仕事がどんどん切られていきますから(システム開発のアウトソース化)、それを見越しての耳の痛い意見だったのでしょう。
たぶん、彼らも、親会社でのシステム窓口業務が終わったら、あゆざかさんの会社に戻ってくるのでしょうから、自分たちの会社の将来の問題として捉えているのではないのかな。
ただ、壊れちゃいけないのも事実なので、親会社側でのメンタルサポートと同等のサポートがあゆざかさんの会社でもあれば、という条件だと思います。
強い/弱いで人材を判断しなければいけないのは人事部の問題だとは思いますが、うむー。強くないと出世できないのは、たぶん、今の社会・会社では真理だとは思うのですけれど、でも、出世したいですか?
昇るに従って、どんどんと責任が重くなっていき、プレッシャーもかかっていきます。(だからこそ、上役というのは、それに見合った賃金をもらっているのだけれど。)
私は、出世意欲はなかったけれど、レールに従って生きていたら、いつのまにか幹部候補生になってしまって、重圧につぶされて発病しました。
あげく会社辞めちゃって、路頭に迷っている日々ですが、そこまでいかなくても、会社でのんびりとした位置で過ごし続けることでもいいんじゃないでしょうか。
技術専門職として管理職コースに乗らないで過ごすことも可能だと思いますし。
自分にあった、会社の勤め方を探していけばいいんだと思いますよ。
くれぐれも辞表だけは出さないでくださいねー。今、会社辞めると、大変な世界が待っていますよ。ふぅ。
投稿: くりにゃー | 2009年1月24日 (土) 12時07分