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2009年5月 9日 (土)

仕事の意味…ちょっとしたカルチャーショック。

 ゴールデンウィーク明けの一昨日と昨日は、本当にドタバタしていた。自席で落ち着いてスケジュール確認をしていることすらままならなかった。先に記したように、これまで関わってきたプロジェクトにおいて最大の山場である業務運用開始があったためである。

 一昨日は社内の会議室を占有して運用開始対応の本部が設置された。僕は専らその本部で情報の整理を行っていた。その日に判明したトラブル対応のため、PMを含む数名は宿泊/徹夜対応を行った。
 そして昨日。表向きでは本部は縮小されたが、やはり同じ会議室を占有して対応が行われた。

 きわめて間の悪いことに、運用開始後の初の土日(つまり今日だ)において、当社建屋の全館停電が予定されていた。今回の停電はいくら大規模とはいえプロジェクト側からの要望で調整可能な種類の停電ではなかった。

 そこで問題になるのが、もしも停電後にもデバッグ/テスト、そしてプログラムリリース作業が必要となった場合の対応である。幸いにも各開発サーバ(UNIX/Linux)群は、別の建屋(電車で移動する距離)にあるため、まったく作業ができないことはない。問題になったのは構成管理環境、つまりソースプログラム群を管理しているドキュメントサーバだった。今プロジェクトにおいては、Web系開発リソースはすべて、この構成管理サーバ(Windows Server 2003)に、バージョン管理システム(Subversion)のリポジトリを配置して管理していた。リポジトリはビルドサーバと直結している。リポジトリがあるサーバがダウンしていると、ビルドができないのである。
 昨日は、主にその対応に追われた。

 必要になるかどうか微妙ではあったけれど、PMの指示により、万が一の場合でもビルドおよびリリース作業ができるようにしなければならなかった。別の建屋にある開発PCを臨時の構成管理サーバに見立ててビルドする。その環境を構築、テストする必要があった。それもできるだけ早く。

 僕の指揮の下、若手のメンバーでリポジトリのコピーやビルド環境の書き換えとテストなどを進めた。時間的にはけっこうギリギリだった。そしてビルド環境は、簡単には修正できないことも判明した。

 夕方、一名の若手メンバー(3年目)に、別の建屋に移動してもらい、業後にかけてリポジトリデータのコピー、および開発PC内の複製リポジトリへの格納を行ってもらった。

 その間にも、対策本部の方針や状況はめまぐるしく変わる。結果的には、リスクを冒してまで、ビルド環境の書き換えなどをするよりは、万一土日に障害が発生した場合でも翌週対応にするような方向性になりつつあった。

 業後、別建屋で一人作業をしているメンバーに、状況を伝え、今しかかっている作業で今日は終わりにすることを伝える。すると彼が「ちょっと質問してもいいですか」と言ってきた。「今日やった作業って意味があったんですか」

 僕は、「そんなにモチベーションを下げることはない。オンラインは土曜日にも稼動している。土日において万一致命的な問題が生じ、対応が必要となった場合には、当然今日作った複製データを使うことになる。ただ『できるならそうならない方が良い。つまりそっちの環境が無駄になる方が良い』とは思う。PM直々の指示でもあったのだし、意義はあったんじゃないかな」などと言った。

 実を言うと、けっこうカルチャーショックを受けていた。自分の仕事に「意味があったのか」という疑問である。誤解の無いように言うと、僕だって、自分の日々の仕事が社会的に、または社内的に、どういった位置づけなのかは常に意識している。逆に、意識しているからこそ、日々の業務については、疑問はほとんど持たない。どんな仕事でも必要とあらばやるという姿勢である。

 若手のメンバーにとっては、自分の作業の意味を考え、それをモチベーションにつなげているんだな。
 もっとも、これは、「誰かに指示されてやる」ことが多い若手と、「ほとんど具体的な指示は受けずに動く」ことが多い僕との、立場の違いもあるんだろう…。
 僕は具体的な指示をほとんど受けずに動いているので、自分で「意味がある」と思える行動しか、結果的にはしていない。多分そういうことなんだろう…。

 もしも「仕事の意味」イコール「徒労には終わらない」と捉えすぎると厳しい。もしも若手メンバーがそう捉えているなら、見方を変えてもらったほうが良いと思う。
 日々の業務の中には「可能性は低いけれど万が一に備えてやること」や、「お客さまに選択肢を与えるためにマイナーなプランを考える」などといった、結果にはつながらないものも多い。世の中を見ても、警察官とか、そういう仕事ばかりではないだろうか。

 ちょっとカルチャーショック。
 いろいろと考えさせられた。

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コメント

運用部隊の仕事って、そもそもが「意味のある仕事」ってとらえ方に立つと、意味のない仕事ばかりになりますよね。ルーチンでやっているオペレーションは、なんのトラブルもなければ、A-AUTOみたいなジョブ管理ツールにまかせてしまえば、人は要らない。
なんらかのトラブルの発生とその対処のために、人は存在してオペレーションしているのであって、「意味のある仕事」なのか、と問われると、意味のない仕事と答えるしかない仕事だってあるわけですね。でも、いないといけない。万一のためにそこに人が存在することに意味がある。
そういう考え方が身につくのは、ちょっと時間がかかるかも。
即物的に価値がある仕事ばかりとは限らないし、実際、リスク管理というのは、プロジェクトのウェイトでかなりの部分を占めるから、将来的リスク管理のための事前作業、という一見無価値・発動するとは思えない仕事は、とても重要で意味があることなんですよね。やっておくのとやらずに済ましてしまうのとでは、もし発生したときの対応コストが全然異なることになる。
一回プロマネを経験すると、痛いほどわかるのでしょうけれど、若手には難しいのかもしれませんね。

投稿: くりにゃー | 2009年5月 9日 (土) 16時48分

おはようございます。

うちには若手がいませんが、採用時は見極めポイントの一つになるかもしれませんね。
多能工的な立場の方は、リスク管理について“結果を評価されないことが最良の結果”ということを理解しやすいのですが、単能工的に携わる方には、業務の全体像や意義を掴めず、意味の有無を問うのかもしれません。意味を問う内容が消極的な気持ちのすり替えであるとまずいのですが…。
若さ故の質問ではありますね。かつて私も似たような疑問を抱いたこともありましたが、今や仕事の意味の有無を考えてモチベーションを左右されることはないですね…。言葉で理解する方もいれば、失敗しないと解らない方もいて…その若手がどちらの類か見極めるのも興味深いところですね。
ちなみに私のかつての仕事では『スイーパー』と呼ばれる熟練担当者の行程にあたるもの…全体の成否に影響を与える“可能性のある”重要な部分だと思います。

投稿: 靴底 | 2009年5月10日 (日) 08時57分

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